14日の米金融市場は、株・債券がそろって反発。押し目を狙った買いが入り、消費者物価指数(CPI)上振れを受けた前日の急落から持ち直した。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 5000.62 | 47.45 | 0.96% |
ダウ工業株30種平均 | 38424.27 | 151.52 | 0.40% |
ナスダック総合指数 | 15859.15 | 203.55 | 1.30% |
S&P500種は5000の大台を回復。国債利回りの低下を好感し、ハイテク大手が米株の反発を主導。ナスダック100指数は1%余り上昇した。人工知能(AI)ブームの追い風に乗り、エヌビディアの時価総額がアルファベットを上回った。ウーバー・テクノロジーズは自社株買いの計画を好感して急伸した。
米政策金利の先行きに関する手掛かりを得ようと、今後発表される主要経済データに注目が集まっている。
コースタル・ウェルスのジェレミー・ストラウブ氏は「米金融当局のインフレ対応を巡る根強い不確実性に市場が対処していく中で、ボラティリティーは続くと想定すべきだ」と述べた。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は、前日は「恐怖」が広がっていただけに、この日の相場反発で安堵感が広がっていると話す。一方で、国債利回りは依然として直近の高水準か、その近辺にとどまっていると指摘。「利回りが早期に低下に向かわなければ、いずれは株式市場にとって一定の逆風となり得る」と述べた。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州担当最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルチェリ氏は「過熱気味」のインフレデータを受けても、成長減速とインフレ鈍化というソフトランディング(軟着陸)、および4-6月(第2四半期)から始まる利下げで年内に100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げという同社の基本シナリオを変えるものではないと指摘。「しかし、データを引き続き注視しており、力強い経済指標が続けば、利下げ開始が遅れる可能性がある」と述べた。
米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、やや高めのインフレデータが数カ月続いても、米金融当局の2%目標に回帰する道筋となお整合するとの考えを示した。
市場では現在、年内3回の米利下げしか完全に織り込んでおらず、4回目の利下げが行われる確率は7割程度とみている。これは、米金融当局が示した年内3回の利下げ予想と整合する。
米国債
米国債市場は短期債主導で上昇(利回りは低下)。前日は利下げ観測の後退が響き、利回りが跳ね上がっていた。一方、長期債の利回り継続に対するヘッジコストは昨年10月以来の水準に上昇した。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.44% | -2.6 | -0.59% |
米10年債利回り | 4.26% | -5.5 | -1.27% |
米2年債利回り | 4.58% | -8.0 | -1.72% |
米東部時間 | 16時54分 |
米国時間に債券相場を動かす大きな材料はなかったが、高止まりする利回りが買いを誘った。
英国のCPI下振れを好感して、英10年債利回りが10bp余り低下したことも、米国債相場を下支えた。
為替
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが3カ月ぶりの高値から反落。前日のCPI上振れによる懸念が和らいだことが背景にある。ドルは英ポンドを除くすべての主要通貨に対して下落した。一方、日本の通貨当局による介入への警戒感から、円のボラティリティーは低下。1ドル=150円台半ばでもみ合った。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1248.22 | -2.02 | -0.16% |
ドル/円 | ¥150.61 | -¥0.19 | -0.13% |
ユーロ/ドル | $1.0728 | $0.0019 | 0.18% |
米東部時間 | 16時54分 |
神田真人財務官は14日、前日の米CPI発表を受けた円安進行について、かなり急速な動きとした上で必要があれば最も適切な対応を取る考えを表明。「災害対応と一緒で、24時間365日いつも何か起こった時に対応できるような準備を備えている」と語った。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の欧州グローバルマーケッツ・リサーチ責任者、デレク・ハルペニー氏は「前日のような米国の動向の方が重要だが、ドル・円相場が高値圏にある状況下では、為替介入の脅威や3月のマイナス金利解除の思惑が円売りを制限するはずだ」と述べた。
英ポンドは対ドルで下落。1月のインフレが市場予想を下回り、イングランド銀行(英中央銀行)による年内の利下げ観測が高まった。市場が織り込む年内の利下げ幅は約70bpと、前日の61bpから拡大した。
原油
ニューヨーク原油先物相場は下落。米原油在庫が先週1200万バレル増となったことが政府の統計で示された。この増加量は昨年11月以来の大きさ。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は日中およそ2ドルのレンジで推移した後、1バレル=77ドルを割り込んで引けた。原油在庫が大きく増えた一方、ガソリン在庫の減少とジェット燃料の需要急増により相場の下値は限定された。米エネルギー情報局(EIA)によるとジェット燃料の4週ベースでの消費量は、この時期としてはパンデミック前の高水準に増加した。
市場動向に関する相反するシグナルを受け、原油価格は今年に入り10ドルのレンジで推移している。市場のボラティリティーを示す指標は低下が続いている一方、燃料油のマージンは着実に改善。需給の重要なバロメーターであるタイムスプレッドは供給のタイト化を示唆している。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は前日比1.23ドル(1.6%)安の1バレル=76.64ドルで終了。北海ブレント4月限は1.17ドル下げて81.60ドル。
金
金相場は小幅安。前日は1月米CPIが予想を上回り、金融当局が近く利下げを開始するとの期待がしぼんだことから大きく下落。スポット価格は1オンス=2000ドルを割り込んでいた。
INGグループの商品ストラテジスト、エバ・マンセー氏は、向こう数カ月の金価格を見通す上では、米金融政策が引き続き鍵になると指摘。金相場は年内に高値を更新し、10-12月(第4四半期)は平均で2150ドルになるとの予想を示した。この予想に対する主な下振れリスクは、米金融政策の想定以上の引き締まりとドル上昇だと説明した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時11分現在、前日比1.89ドル(0.1%)安の1オンス=1991.26ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は2.90ドル(0.1%)安の2004.30ドルで引けた。
原題:Dip Buyers Wade Back In to Fuel Wall Street Gains: Markets Wrap
Treasuries Rebound From Post-CPI Slide as Dip-Buyers Emerge
Dollar Experiences Deflation After Post-CPI Surge: Inside G-10
Oil Falls After US Crude Supplies Jump by Most Since November
Gold Holds Slump After Hot US Inflation Data Hits Rate-Cut Hopes(抜粋)
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2024-02-14 21:55:00Z
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