Jumat, 07 Juni 2019

米雇用7万5千人増 5月、市場予想下回る - 日本経済新聞

【ワシントン=鳳山太成】米労働省が7日発表した5月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比7万5千人増にとどまった。増加幅は前月(22万4千人)から急減し、3カ月ぶりの低水準だった。中国などとの貿易戦争が激しくなり、米雇用の先行きを不安視する声も出ている。

5月の雇用者数の増加は寒波の影響があった2月(5万6千人)以来の低水準で、市場予測(約18万人)も下回った。建設業やヘルスケアなどの業種で伸びが鈍化した。直近3カ月でみると月平均15万1千人の増加で、月平均22万人のペースで増えた2018年と比べて減速傾向にある。

7日の米債券市場では長期金利が急低下した。米2年物国債の利回りは一時1.77%と前日より0.1%程度低下し、約1年半ぶりの水準まで低下した。雇用者数の伸びが事前予想を下回り、景気の先行き不安から安全資産とされる米国債に資金が向かった。

失業率は前月と同じ3.6%で1969年12月(3.5%)以来約49年ぶりの低水準になっている。人手不足のため就業者数そのものが増えにくい環境にある。平均時給は27.83ドルと前年同月比3.1%上昇した。雇用需給の引き締まりを受けて賃金は2018年後半から3%台の伸び率を維持している。

米雇用を巡り、先行きの減速を見込む声が増えている。トランプ米政権が5月に中国への制裁関税を引き上げ、メキシコにも関税を課す構えをみせる。貿易摩擦が再び激しさを増しており、米サプライマネジメント協会(ISM)がまとめた5月の製造業景況感指数は2年7カ月ぶりの水準まで低下した。

企業は生産や設備投資を控え始めており、人員を減らす動きが広がる可能性がある。米連邦準備理事会(FRB)が5日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、ボストン地区の人材派遣会社が直接雇用の需要が減っていると指摘した。米フォード・モーターは8月までに米国を含む世界で7千人減らす。

FRBは18~19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。パウエル議長は4日の講演で貿易戦争の激化に懸念を示したうえで、「景気拡大を持続させるために適切な行動を取る」と金融緩和に転じる可能性を示唆した。金融先物市場は7月の会合までに最低1回の利下げを8割の確率で織り込む。

米景気の拡大局面は戦後最長の10年間に近づいている。好調な労働市場が米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費を下支えする構図が続いてきた。ただ貿易戦争の影響が米景気の生命線だった雇用にまで及べば、米景気の減速懸念が強まるのは必至だ。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45818600X00C19A6EA2000/

2019-06-07 12:54:00Z
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