JAL、A350オプション行使へ赤坂社長「タイヤ交換でもしたい」 - Aviation Wire

Kamis, 20 Juni 2019

JAL、A350オプション行使へ赤坂社長「タイヤ交換でもしたい」 - Aviation Wire

　「できればこんなことをやっていないで、そこら辺でタイヤ交換でもしたい」──。到着間もないエアバスA350 XWBの初号機（A350-900、登録記号JA01XJ）について、日本航空（JAL/JL、9201）の赤坂祐二社長は、整備畑出身らしい感想をお披露目会の壇上で語った。

A350の機内お披露目会に登壇するJALの赤坂社長＝19年6月20日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

エアバスのスタイナック氏と握手を交わすJALの赤坂社長（右）＝19年6月20日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

　JALはA350-900の初号機を、6月11日付で受領。現地時間13日には機体の引き渡し場所となった仏トゥールーズを離陸し、羽田空港へ向かった。日本時間14日午前8時前に到着した初号機を、赤坂社長らが格納庫で出迎えた。

　エアバス機をJALが受領するのは、統合前の日本エアシステム（JAS）が発注したA300を除くと初めてで、日本の航空会社がA350を導入するのも初となる。6月20日に羽田空港の格納庫で開催した機内お披露目には、エアバスの日本担当セールスシニア・バイス・プレジデントのジャン＝ピエール・スタイナック氏と、エンジンを製造するロールス・ロイスの日本法人、ロールス・ロイス・ジャパンの露久保治彦社長も参加した。

　A350を整備の目線で「いろいろなところが最新鋭。トラブルに対する情報を機体から提供してもらえる」と紹介した赤坂社長は、「“未来の飛行機”だと思う」と評した。赤坂社長によると、整備士は機体が壊れる前に予兆を検知する「予測整備」に力を入れるという。A350は「新しい技術を作るのにもってこい」とし、“整備士魂”に火が付いた様子で語った。

　JALは2013年10月7日に、ボーイング777型機の後継機として、A350を最大56機導入すると発表。確定発注は標準型のA350-900が18機、長胴型のA350-1000が13機の計31機で、このほかにオプション（仮発注）で25機購入する契約を結んだ。A350-900は主に国内線用777-200の、A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる。

　25機となっているオプションの行使について、赤坂社長は「いつ決めるかはまだ決定していない」とした上で「オプションを行使することは前提だ」と述べた。

　最初に導入するA350-900は、初号機から3号機までが特別塗装機となる。9月1日から羽田－福岡線に就航し、それまでに2号機（JA02XJ）と3号機（JA03XJ）も受領する見込みで、就航前に3機がそろう予定となっている。

　赤坂社長が「いち整備士として扱ってみたい。心から願う」と表現するA350。機材数が増えJALの主力機になるのは、近い将来なのかもしれない。