28日の米株式相場は取引終盤に上げを失い反落。中国に関する記者会見を29日に開くとトランプ米大統領が明らかにし、米中間の緊張が一層高まる可能性への警戒が強まった。米国債は長期債中心に下落。
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S&P500種株価指数の1%を超える上昇はトランプ氏の発言後に吹き飛んだ。29日の記者会見での発表内容は明らかでないが、米国が中国に対し世界経済の不安定化につながりかねない措置を講じるのではないかとの観測が投資家の間に広がった。中国がこれより先、香港の「国家安全法」を制定する方針を採択したことは「極めて大きな過ち」だと、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長はCNBCのインタビューで述べた。
S&P500種は前日比0.2%安の3029.73。ダウ工業株30種平均は147.63ドル(0.6%)安の25400.64ドル。ナスダック総合指数は0.5%低下。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.69%。
朝方の株式相場上昇は、新型コロナウイルス感染拡大の経済への打撃が予想されたほど大きくないと示唆する米国統計が材料となった。失業保険の継続受給者数(16日終了週)は2110万人に減少、人々が復職し始めている兆候を示した。4月の米耐久財受注はエコノミストの予想ほど落ち込まなかった。
バッキンガム・ウェルス・パートナーズのジャレッド・カイザー最高投資責任者は、「回復が可及的速やかに進みそうだと株式市場は受け止めている。実際、非常に迅速で力強い回復となる可能性が織り込まれている様子だ」と述べた。
為替市場ではドルや円、スイス・フランが下落。米失業保険の継続受給者数の減少は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって初めてであり、増加が予想されていたこともあって、リスク選好の流れとなった。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下。ドルは対円では0.1%安の1ドル=107円62銭。
ニューヨーク原油先物相場は大幅反発。米エネルギー省の統計で先週の在庫増加が明らかになったものの、市場では需要回復の兆しと減産期待の方が注目を集めた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は、前日比90セント(2.7%)高い1バレル=33.71ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は55セント高の35.29ドル。
ニューヨーク金先物相場は小幅反発。米中の緊張激化に伴い、逃避の買いが入った。一方、新型コロナが米経済に及ぼす打撃は和らぎ始めたとの兆候で、金は上昇幅を縮小。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前日比0.1%未満上げて1オンス=1728.30ドルで終了した。
原題:U.S. Stocks End Rally With China Tensions Rising: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Drops With Havens Amid Risk-On Environment: Inside G-10(抜粋)
Oil Rallies With Investors Eyeing Demand Recovery, Output Cuts(抜粋)
PRECIOUS: Gold Investors Weigh China Tensions and Economic Gains(抜粋)
(第4段落以降に市場関係者コメントなどを追加、相場を更新します)
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2020-05-28 21:19:00Z
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