Rabu, 20 Mei 2020

新型コロナ:FRB、新たな金利目標検討 短・中期債利回りに上限 - 日本経済新聞

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は、短期債や中期債の利回りに上限を設ける新たな政策目標の検討に入る。新型コロナウイルス感染拡大による経済悪化で政策金利はゼロ近辺まで下り、追加の利下げ余地がないためだ。米国債の購入で3カ月物や5年物などの金利を新たにコントロールし、市中金利全体を低めに誘導して金融緩和の効果を高める。

パウエルFRB議長はマイナス金利政策に否定的だ(写真は3月)=AP

FRBは20日、4月28~29日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。3月には大幅利下げでゼロ金利政策と量的緩和政策を復活させており、4月の会合では金融政策の現状維持を決めた。ただ、会合参加者は「新型コロナは、長期的な米経済活動にリスクをもたらす」と先行きの景気停滞を強く警戒。追加の金融緩和の手段を検討することで一致した。

具体策としては、複数の会合参加者が「一定の期間、短期債と中期債の利回りに上限を設けて米国債を買い入れる」という案を表明した。FRBの現在の金融政策は、銀行が無担保で短期資金をやりとりするフェデラルファンド(FF)金利を誘導して行う。新たに1年物の短期国債(TB)や5年物国債などに金利目標をつくって、市中金利全体を低めに抑えるアイデアだ。

主要国の中央銀行では、日銀が10年物国債利回りをゼロ%近辺に誘導する「イールドカーブ・コントロール」を採用する。FRBも第2次世界大戦の前後に米国債の管理政策の一環で、3カ月物や1年物のTBの利回りに上限を設けて中期・長期の金利をコントロールしたことがある。パウエル議長が率いる現体制では、2019年に新たな政策手段の研究に着手し、短期・中期債の上限目標を検討してきた経緯がある。

4月の会合では、失業率などに数値目標を設定し、目標に達するまでゼロ金利政策を続ける「フォワード・ガイダンス」の新設を求める意見があった。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ量を増やして、長期金利を引き下げるという案も議論した。

ただ、いずれも大幅な金融緩和効果は見込みにくい。FRBが短期債や中期債に新たな金利目標を設定しても、1年物のTBの利回りは足元で既に0.1%台だ。5年物国債でも0.4%を下回り、引き下げ余地は乏しい。トランプ大統領は日欧のようなマイナス金利政策を要求するが、パウエル議長は「現時点で同政策を魅力的とは考えていない」と否定的だ。

4月の失業率は14.7%と戦後最悪になり、米議会予算局(CBO)は20年末時点でも失業率は10%を上回ると予測する。FRBは「雇用の最大化」を政策目標とするが、金融政策の限界が鮮明になれば、先行き不安の払拭は難しくなる。

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2020-05-20 19:32:59Z
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