<為替> 主要通貨に対するドル指数が一時約5カ月ぶりの水準に低下した。個人消費支出(PCE)価格指数の伸びの鈍化を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来年3月に利下げに着手するとの見方が一段と高まった。
商務省発表の11月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇。伸びは10月の2.9%から鈍化し、2カ月連続で3%を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比3.2%上昇。伸びは10月の3.4%から縮小した。 もっと見る
エクイティ・キャピタルのチーフ・マクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は「FRBは緩和的な金融スタンスにシフトしたが、今回のPCE統計はこうした動きに一段の重みを加えるものだった」と指摘。「PCE価格指数はFRBが物価の目安として注目する指標で、これまでの金融引き締めの効果がまだ完全に表れていないことを踏まえると、インフレ対応の面で『仕事は終わった』とFRBが見なし始める可能性がある」と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.08%安の101.7。一時は101.42と、7月終盤以来の安値を付けた。年初からの低下率は約2%になる公算。
ドルは対スイスフランで0.02%安。一時は約9年ぶり安値を付けた。スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフランの対ユーロ上限を撤廃した2015年1月の水準に戻った計算になる。
ユーロは対ドルで0.02%高。英ポンドは対ドルで0.09%高の1.2703ドル。
ドルは対円で0.25%高の142.465円。日本の11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は106.4と、前年同月比2.5%上昇。昨年7月以来の低い伸び率となった。 もっと見る
暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが0.34%安の4万3726ドル。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りがやや上昇した。朝方発表された11月の個人消費支出(PCE)統計はほぼ予想通り。クリスマスに伴う連休を控え商いが細る中、ポジションを手仕舞う動きが見られた。
商務省発表の11月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇し、伸びは10月の2.9%から鈍化し、2カ月連続で伸びが3%を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比3.2%上昇。伸びは10月の3.4%から縮小した。 もっと見る
FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は今回のPCE統計について「どこから見ても、インフレ率は2%に達している。ただ、インフレ率は持続的に2%に維持されなければならないため、米連邦準備理事会(FRB)が『ミッション達成』を宣言できるわけではない」と指摘。
PCE統計を受けた市場の動きについては「すでに織り込まれていた」とし、「年末を控え商いは細っている。来週は休暇を取るトレーダーが多いと予想され、ポジションを手仕舞う動きが出ている」と述べた。
市場は来年3月の利下げをほぼ確実視。来年12月までの利下げ幅は159ベーシスポイント(bp)になるとの見方が織り込まれている。
この日発表のPCE統計は年内最後の主要な経済指標。米債券市場は22日は午後2時までの短縮取引で、来週25日は休場となる。
終盤の取引で10年債利回りは3.897%。上昇したものの、上昇幅は1bp未満にとどまった。
2年債利回りは2bp低下の4.325%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス43bpと、3bp縮小した。
米金融・債券市場:
<株式> クリスマスに伴う連休を控え、まちまちで取引を終えた。朝方発表された個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが鈍化したことを受け上向いたものの、その後失速した。
商務省発表の11月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇し、伸びは10月の2.9%から鈍化した。伸びが3%を下回るのは2カ月連続。米連邦準備理事会(FRB)が来年3月に利下げに着手するとの見方が一段と高まった。 もっと見る
このほか、11月の耐久財受注は前月比5.4%増。航空機の受注増で全体が押し上げられた。ロイターがまとめた市場予想は2.2%増だった。 もっと見る
こうした経済指標を総合すると、FRBは来年3月にも利下げに着手し、景気後退(リセッション)を引き起こすことなくインフレを抑制する経済のソフトランディング(軟着陸)が実現できる可能性があるとの見方が強まっている。
インガルス・アンド・スナイダー(ニューヨーク)のシニアポートフォリオ・ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「PCE価格指数は前月比では低下に転じ、極めてハト派的だった」とし、「利下げへの一歩となる」と指摘。同時に「来年3月の利下げ観測が出ているが、これは楽観的すぎると考えている」とし、「経済は好調だ。現時点で利下げは必要ない」と述べた。
週足では、主要3指数がそろって8週連続で上昇。連続での上昇はS&P総合500種が2017年終盤、ダウ工業株30種とナスダック総合が19年序盤以来の長さとなる。
この日の取引でS&Pの主要11セクターのうち、一般消費財(.SPLRCD)が唯一下落した。
個別銘柄では、スポーツ用品大手ナイキ(NKE.N)が11.8%安。ナイキは前日、通期売上高見通しを下方修正。コストを管理するため、主要製品の供給削減を計画していることも明らかにした。 もっと見る
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.25対1の比率で上回った。ナスダックでも1.92対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は96億3000万株。直近20営業日の平均は125億2000万株。
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでドルがやや軟化したことを背景に、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比17.80ドル(0.87%)高の1オンス=2069.10ドル。金相場は週間では1.64%高となった。
NY貴金属:
<米原油先物> クリスマスの3連休を前に利益確定の売りがやや優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.33ドル(0.45%)安の1バレル=73.56ドル。週間では2.98%上昇した(中心限月ベース) 。3月物は0.33ドル安の73.73ドル。
NYMEXエネルギー:
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2023-12-22 22:06:00Z
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