Jumat, 14 April 2023

NYダウ反落、143ドル安 一段の利上げに警戒感 - 日本経済新聞

【NQNニューヨーク=稲場三奈】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比143ドル22セント(0.4%)安の3万3886ドル47セントで終えた。朝方に米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が一段の利上げに前向きな姿勢を示した。利上げ長期化により景気が冷えるとの警戒から、幅広い銘柄に売りが出た。同日発表の決算が好調だった銀行株の一角には買いが入った。

朝方にFRBのウォラー理事が講演で「一段の利上げが必要だ」と語った。アトランタ連銀のボスティック総裁も次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする考えを示したと伝わった。引き締めを維持する姿勢を示したことで、利上げ継続による景気悪化の懸念が強まった。

朝発表の3月の小売売上高は前月比1.0%減と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想の0.5%減を下回った。消費が下振れし景気が減速するとの見方も売りにつながった。市場では「インフレの緩和を示しているものの、経済活動が鈍化する可能性への警戒が優勢となった」(ニューブリッジ・セキュリティーズのドナルド・セルキン氏)との声が聞かれた。

ダウ平均は前日に約2カ月ぶりの高値まで上昇しており、週末を控え持ち高調整の売りも出やすかった。

映画・娯楽のウォルト・ディズニーや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。主力民間機の品質問題が明らかになった航空機のボーイングも大幅安。医療保険のユナイテッドヘルス・グループは2024年の保険制度改定への懸念が重荷となった。

一方、金融のJPモルガン・チェースは7%超上昇した。同日発表の23年1〜3月期決算で売上高と1株利益が市場予想以上となり、好感した買いが広がった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、シティグループの決算も市場予想を上回り、投資家心理の支えとなった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比42.806ポイント(0.4%)安の1万2123.466で終えた。電気自動車(EV)のテスラや動画配信のネットフリックスなどが売られた。13日夕に発表した23年1〜3月期の生産・出荷が低調だった新興EVのルーシッド・グループは6%安だった。

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2023-04-14 20:18:15Z
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